2011年5月6日金曜日

鹿児島から博多まで九州縦断!

2011年4月29日(金曜日)
ゴールデンウィークの始まりです。
今回の自転車旅行は、鹿児島から、博多を目指します。

予定では、昨晩、夜行高速バスで大阪を出発し、鹿児島に朝8時に着く予定でした・・・・・が、
「自転車は乗せられません。」と乗車拒否。
え~?え~?え~?と思っている間に、さっさとバスは出て行きました。
夜の9時に一人、大阪梅田のバス停に残されたボクは・・・。
「どうしよう?」
飛行機の予約は今からは無理。残る交通手段は新幹線しかありません。
そのまま新大阪駅まで自転車で走り、朝一番の新幹線時刻を確認し、ビジネスホテルを探して1泊。
そして朝5時過ぎに、新大阪駅の改札に入ったわけです。
新大阪駅の在来線の改札には入れますが、新幹線の改札口はシャッターが降りています。しかし、連休初日ということで、すでに数人に並んでいます。
シャッターは、5時20分頃に開きました。しかし、改札は5時半に開くとのアナウンス。
改札口では、多くの人が並び異様な雰囲気になっています。
これは、ゆっくり歩いて座れる雰囲気ではありません。
改札が開くと、約6kgのリュックを背負ったまま、「エ~イ!」と自転車を両手で持って、自由席の車両まで走りました。
普段はこんなこと絶対無理!!何とか鹿児島に行きたい、気合いだ~!!

朝6時発、鹿児島中央行き「みずほ601号」すでにホームでは列車が入っていますが、車内には入れません。
約10分待ちました。前には15人以上並んでいます。
「座れるやろか?自転車を置くスペースが空いてるやろか?」
不安でいっぱいの10分でした。
こんな風に、無事座席の後ろに自転車を置けました。(この写真は鹿児島中央駅で撮影。)
座席にも座れました。ラッキー!!
出発する頃には、デッキは人でいっぱい、通路にもたくさん人が立っています。
遅れていれば自転車を持って、満員の新幹線に入るのは無理です。

鹿児島中央駅9時46分到着。「着いた~。」
夜行バスに置いていかれた私ですが鹿児島に到着することができました。
この時間なら、予定の行程は走れそう。 
駅から出て、直ぐに自転車を組立てました。「走るぞ~。」

鴨池フェリー乗り場鹿児島市内の鴨池(かもいけ)から大隅半島の垂水(たるみず)まで鴨池・垂水フェリーに乗ります。鹿児島市内とはいえ、鹿児島中央駅から鴨池フェリーターミナルまでちょっと遠い。
道に迷ってしまい、道を尋ねながら鹿児島市内を40分ほどウロウロ走って10時45分頃に到着。
でっかいフェリー!!中にうどん屋さんがあります。
(おやつのつもりで食べましたが、これが本日のお昼ごはんになりました。)
11時出航で~す!

桜島フェリーから桜島が良く見えます。
もっと噴煙を上げているのかと思いましたが、少しの噴煙だけです。
(5月6日に会社の鹿児島営業所の女性に電話すると、
 「今日は、火山灰がすごい。せっかく化粧しても顔が灰で真っ黒になる。」とのこと。日によって違うみたいよ。)
 
垂水港から宿泊予定地の根占(ねじめ)を目指す。垂水港には11時40分に到着。
お金は、フェリーを降りてから料金ゲートで払います。
車は行列になっています。「車の後ろに並ぶべきか?」
とも思案しましたが、そこは、ほれ、時間が無いし、ちょっとずるして横をスルーっと走り抜けて料金ゲートまで行きました。
「いくらですか?」と、ゲートの人に聞いて、車の合間に支払いました。
(お値段自転車込みで600円。)
大阪ではこういった場合、車が意地悪してゲートまで行かせてくれません。
ここは鹿児島、支払いの為に車の前を通る際に、道を開けてくれました。
優しい!!

錦江湾サウスロードユースホステル2時15分に到着。錦江湾(きんこうわん)とは、鹿児島湾の事で、地元の人はそう呼んでいます。ユースホステルに荷物を預けて身軽にし、すぐに佐多岬に向けて出発です。
ユースホステルから佐多岬までの往復は約70km。
夜行バスに乗れなかった分、予定より大幅に遅れています。
何時に帰れるか分かりません。
でも、「よか。よか。」と、思いながら出発です。

10kmくらいは鹿児島湾沿いを走ります。
この道は、景色最高!!
海の向こうに円錐型をした開聞岳(かいもんだけ)が良く見えます。
道は概ね平たん。荷物もないし路面も良い。快調に自転車が進みます。

峠のトンネル:西方隊道(トンネルを抜け振り返って写真を撮りました)道は鹿児島湾を離れ山道になります。上り坂3kmほど、高度計(カシオ腕時計 Protrek)で標高200mほどの峠。
この道が、きつかった。
額から汗がしたたり落ちます。サングラスの内側にも付くくらい。休憩の際にはサングラスをコシコシ拭かなければなりません。
目指す佐多岬は、まだまだ先です。

3時半。佐多岬ロードパークに到着。数年前までは、自転車・歩行者は通行禁止だったとか。
今は、誰もいません。ラクラク通過です。

このロードパークが、くせもの。上り下りの坂が続きます。
標高差はさほどでもないけども、斜度がきつい。
上り坂は、失速寸前になります。

佐多岬まで残り4km程で料金所があります。
4時過ぎに到着。料金500円です。
「5時までに、帰らないと、ここのゲートと、トンネルが閉鎖します。」とのこと。
のんびりしてトンネルを閉められて、
「佐多岬。閉じ込められて、野宿1泊」なんて、いやだ~!

駐車場からトンネルを通ります。トンネルからは、歩行者のみ通行可。管理人もおられます。
佐多岬の看板の前に自転車を置いて写真を撮りたかったので、
「あの~。押して歩きますので、自転車を持って行っても良いですか?」
と聞くと、「人も少ないので良いよ。」との優しいお言葉。
「あ~ざ~す。」

狭い遊歩道も自転車を押して行きました。
すれ違う人がいる際には、ピタッと自転車と体を端に寄せて
「どうぞ。」と、道を譲りました。

10分以上遊歩道を自転車を押して来ましたが、最後の階段でギブアップ。
階段から降りて来る人が多いなか、他人の迷惑を顧みず、狭い階段を自転車担いで登る根性が私にはありません。
(そこが、何事も徹底できない私の私たるゆえんです。)

佐多岬到着。4時35分。
私、苦難の末にやっと、本土最南端の佐多岬に到着したことを宣言します。
「来ちゃいました~。」

帰る頃にはゲート半分閉鎖。「閉店で~す。」
佐多岬を目指すみなさん。5時までにはゲートを通過してください。

開聞岳に夕日が沈む。「早く帰らないと真っ暗になる~!!」と焦って自転車を漕いでいると左を見れば、それはそれは綺麗な風景が広がっています。
ジャブジャブと心が洗われるような風景です。
「こんな綺麗な夕焼けって見たことあるかな~?」
もう、帰りが真っ暗になっても構わない。
素晴らしい風景独り占め!!風景を楽しみながら自転車を漕ぎました。

夜の7時20分に、根占(ねじめ)のユースホステルに到着。
近所に食堂がありません。お腹はペコペコです。
ペアレント(経営者)さんに、食事ができるところを聞くと
「ネッピー館の中にレストランがあるよ。そのまま、温泉に入ってくると良い。」
とのこと。
ねじめ温泉、ネッピー館(翌朝撮影)

黒豚のとんかつ定食1200円。(鹿児島に来たなら黒豚たべにゃ!)
フリードリンクが150円です。
本当に150円で良いんですか?飲んじゃいますよ~!
カルピスソーダ3杯、オレンジジュース2杯、ココア2杯。2リッター近く飲んだでしょうか。
私の体は、乾いたスポンジのようになっていたのです。

食後に、ねじめ温泉にゆっくりと入りました。お値段330円。
泉質は、ナトリウム・塩化物強塩泉。なめると、塩っ辛い。
少し、ぬるめではありましたが、疲れた体がとろけます。

錦江湾サウスロードユースホステルの部屋。
なんと個室です。畳の間もあり快適、快適。
朝までぐっすり快眠です。
朝食付きでお値段3,600円。

本日の走行距離123kmでした。

2011年4月30日(日曜日)
本日、大隅半島の根占港から、薩摩半島の山川港(指宿)まで「なんきゅうフェリー」で移動です。
フェリーは9時出航なので、8時半にユースホステルを出発。
ユースホステルとフェリー乗り場までは自転車で5分もかかりません。

年配のサイクリストさんの自転車。根占港でフェリーを待っていると、年配のサイクリストさんが話しかけて来られました。
定年を期に、住んでいる博多から九州を時計回りで2カ月かけて1周予定とか。
おかげで、フェリーの出航を待つ時間や、乗船中も退屈することなく楽しく過ごせました。
このフェリーびっくりするほど小さい。ここが乗船時の居場所となります。
(車の人は、車の中ですごしていました)

山川港(指宿)に到着です。根占港を出港して約50分。
山川港に到着です。
ゴールデンウィークということで乗客が多い為に、運転手はフェリー、家族や車無しの乗船の人は前に留っている高速船で先に到着しています。
下船と同時に、年配のサイクリストさんともお別れです。「じゃ。」と手を振り別れました。
自転車と一人の料金900円でした。

づけ丼(どん)少し早かったんですが、11時にお昼御飯にしました。
山川魚協直営の、道の駅みたいな「活(い)お海道(かいどう)」の中にあるレストランでいただきました。
500円です。カツオを醤油漬けが、ご飯の上にのっています。
安くて、うまか~。

山川港の直ぐ近くに「さつもいも上陸地」があります。
ただ看板があるだけなんですが、
「そうですか?みんな大好き、さつまいもさんはここから上陸されたんですか?」
と、しばし感動しておりました。

山川港から指宿方面に走ると、有人駅最南端の山川駅があります。
そこは、ほれ、最南端である鹿児島県の得なところですよね。
探せばいっぱい「最南端」が出てきます。

鹿児島市内のホテルに4時到着。
荷物をホテルに置いて直ぐに市内観光に出発です。
出ると雨がポツポツと降出しましたが、「え~い。濡れてもよか。」
と自転車に乗りました。

西郷隆盛銅像まっ、観光スポットとしてこれは外せないでしょう?観光客でいっぱいです。
上野の西郷さんは浴衣姿。一方、鹿児島の西郷さんは軍服姿です。
霧島にも銅像があるそうですが、そちらは着物姿。

西郷隆盛銅像から、少し横に進むと鶴丸城跡があります。
日本100名城(97番)です。
ホテルの人は「石垣しかありませんよ。」と言っていましたがその石垣が良いんです。
説明の看板によると、天主閣を持たない鶴丸城は「薩摩は、城をもって守りとなさず、人をもって城となす。」の薩摩思想によるそうで、藩内の各所に兵農一致の郷士団が守る外城がめぐらされていたそうです。
鉄壁ですな。

その横が、私学校跡。
高さ2m程の石垣に、西南戦争時の銃弾跡がいっぱいあります。
石垣にある銃弾跡は、いわば「はずれ弾」。石垣を狙って撃つヤツはいません。
当時のすさまじい銃撃戦を想像できます。
「あっ、銃弾跡があった。」というレベルではありません。
銃弾跡だらけの状態です。
銃弾跡だらけの石垣が延々と続きます。
西郷隆盛銅像よりも、鶴丸城跡よりも、わたしゃ興奮しました。
これは、本物です。

本日の走行距離58kmでした。

2011年5月1日(日曜日)
本日は、鹿児島市内から熊本県人吉市を目指します。

本日の天気予報、雨。
ホテルを出る際は曇り。でも午前10時頃から雨が降り出しました。
10号線は道は狭くて、車がとっても多い。海はドヨンとしている。なのに雨?
自転車で走っていても、全然楽しくありません。

午前11時過ぎに、鹿児島湾北側の街、姶良(あいら)市に到着。
小雨ではありますが、雨は止みません。
「少し早いけどもお昼ご飯にしよう。」とおそば屋に入りました。
吹上庵の板そば 600円。
安くて美味しいおそばです。
お腹もいっぱい。ゆっくり休憩もできた。
「ごちそうさま。」っと、店の外に出ると雨は止んでいました。
ラッキー!!

隼人町から鹿児島湾とお別れして北上。国道10号線にお別れして、国道223号線で北上します。道は新緑の中、くねくねとした山道。
緩やかな上り坂が続きます。

龍馬とお龍が日本で初めての新婚旅行をした塩浸温泉公園に到着。
明治時代は、温泉宿がありましたが、今は公園で温泉宿はありません。

道を間違えた!!どうもおかしい。手元の高度計は570m表示している。
標識は、まっすぐが、えびの高原、右が霧島神宮駅、左が湧水(ゆすい)と、書いてある。
途中、国道55号線へ左折する道をまっすぐ走り、霧島温泉郷に来てしまった。
携帯ナビの電源を入れて指示を仰ぐと、右側の「霧島神宮駅」方面に行けと言っている。
いや、しかし、それはあまりにおかしい。目指す方向は左のはず。
道を聞くにも人がいない。
交差点の向こうに「霧島花むらさき」という旅館があったので聞くことに。
「人吉に行きたいんですが。」
「あっ、それなら、湧水方面に行かないと。」
と、親切に教えてもらいました。礼を言って出発。
携帯ナビくんどうしたの?反対方面を言っているよ?

湧水町に出るのが、きつかった。
基本は下り坂。でも何か所も急な上り坂があり、漕いで上れません。押して歩きました。
国道55号線に出た頃には、へろへろ。時間と体力を大幅に無駄にしてしまった。少し、休憩。
気を取り直して、一路人吉に。
そこには、今回の旅行最大の難関、峠越えが待っています。

湧泉町栗野から国道268号に入り、約10kmで宮崎県えびの市に入ります。
宮崎県えびの市まで行く道は、とっても走りやすい。
道は平たん、交通量は少なく、路面も良い。
時間が押しているので、自然と足に力が入り時速25km~30kmですっ飛ばして行けます。

えびの市から、熊本県人吉市へ抜ける峠道の始まりです(国道221号)。
時はすでに6時過ぎ。
日が暮れるまでには、峠を越えたい。
真っ暗な道の峠越えなんて、嫌だ!!だって寒くて、怖いやんか。

漕ぐこと約20分。3kmほど走ると、やっと「えびのループ橋」が見えてきました。
山が急なため、山道では斜度が取れないので、ループ状にくるりと道が回っているのです。

それが、ここ。
えびの市を見ればこんな感じ。
高くまで上ってきたぞ~。

ループ状になった道路を走っていると、向こうの山に、橋が見えます。
もしかして・・・。
認めたくはありませんが、まだまだ登り坂が続くようです。

それが、ここ。
下を見るとこんな感じ。
ここからまだ上りが続くのがすごい。
全く、血も涙もありません。

峠近くの橋この橋の歩道は狭くて走ることができません。
右に倒れた場合、車にはねられる危険があり、左に倒れた場合、橋から落ちてしまう危険があります。
どっちに倒れてもとっても危険。
自転車を押して歩きましたがな。

峠のトンネルトンネルが見えてきました。高度計は620mを表示。
東京スカイツリーの高さが634m。
そのてっぺん近くまで自転車で上ったことになりませんか?
まっ、高度計の精度は知りませんけど。

加久藤トンネル全長1808mを抜けると、夢にまで見た下り坂が待っています。
ついに、峠を越えた~!!

きっと長い下り坂が続くはず。
「ならば、寒さ対策が必要。」と、ウィンドブレーカーを着こみ、ダウンヒルの開始です。
スピードが出る出る。しかし、時は7時10分過ぎ。
あたりが暗くなってきています。路面が良く見えないので、タイヤが窪みに入ったら転倒するかも。
ブレーキをかけながら、減速して坂を下りました。

夜8時20分頃に人吉市内の「ホテル朝陽館」に到着。
お腹ペコペコです。ウナギ屋さんに電話してみると「ラストオーダー8時50分」とのことで大急ぎで出かけました。

上村うなぎ屋。うな重1900円この店は、オーダ―してから活きたウナギをさばき、炭火で焼きます。
ご飯は人吉米を使用。こだわりの店なのです。
ウナギを一口食べて、びっくり。
今まで、蒸してふわふわにしたウナギが一番美味しいと思っていましたが、ここのウナギはプリプリの食感。
これが、最高に美味しい。
「焼いたウナギって、めちゃくちゃ美味しいやんか?」
感動です。
「うまかもん。見っけ!!」

人吉温泉(ホテル朝陽館)人吉温泉の成分表です。「泉質:炭酸水素塩」と書かれています。
「何のこっちゃ?」と入ってみると・・・。
サイダーのコップの内側のように小さな泡が体にいっぱい付きます。
体の泡がプクプクに浮いてきて、湯面ではじけます。(これもサイダーのよう)
「へ~。面白い!!」
かけ流しで、柔らかい泉質の温泉に大満足!!

本日の走行距離143kmでした。

2011年5月1日(月曜日)
本日は人吉から熊本まで走ります。
距離はそこそこありますが、高低差があまりなく、今までのコースに比べれば楽勝です。

人吉城 水の手門跡(ここに川からお城に入る門がありました)昨日は遅くに到着したため人吉城を見ることができませんでした。
ということで、本日朝6時からお城を見学です。朝の人吉はきりっと寒い。

人吉城石垣「武者返し」と呼ばれる石垣の上から石が付き出ています。
これは、函館の五稜郭(去年行ったぞ~)と、鶴岡城(行ったことない)にしか見られない珍しい石垣だそうです。

途中で会った中学生の女の子から、「おはようございます。」とあいさつされました。おじさんは、びっくりです。
女子中学生から警戒されることはあっても、あいさつされる身に覚えはありません。でも、直ぐに「おはよう。」と言えました。
そういえば、鹿児島でも小学生が道ですれ違う際に「こんにちわ。」って、あいさつしてくれたな・・・。
そうよね、会えばあいさつするのが自然ですよね。昔はそうっだった気が来ます。九州は、昔の良いところが残っているのです。

7時前に、ホテル朝陽館に戻り、温泉に入ってから朝食をいただきました。
散歩で冷えた体に、泡プクプクの温泉。お腹が空いた後に、美味しい朝食。最高です。

ホテルを出発し球磨川(くまがわ)沿いの道を下って八代市を目指します。
昨日の霧島もいっぱい藤の花が咲いていましたが、球磨川沿いもいっぱいの藤の花で綺麗です。
川沿いの新緑に、藤の花の紫が合います。
いやされますな~。


人吉市から球磨川沿いの道を走るこの道は素晴らしい。横を球磨川が流れ、新緑の道を走って行きます。
川の流れに沿っているので、基本は私の大好きな下り坂。
車が多く通るので少々怖いのですが、それを帳消しにできるくらい素敵な道です。
(ボクの輪道100選に入ります。・・・。多すぎるか?)

SL人吉蒸気機関車を見ることができました。橋の上では汽笛を鳴らしてくれます。

球磨川の上流で3脚でカメラを構えている人に「SLを撮られるんですか?」と聞くと
「後30分くらいで、来るはずやねんけどね~。
 自転車で走っていったら、鉄橋があるから、そこでちょうどSL見られるよ。」
と教えてもらって来たのがここ。
駐車している車のナンバーは、千葉、浜松と遠くから来ています。
そういえば、教えてくれた人も完全に関西弁やったな。
好きな人は好きなのね~。
奈良県(桜井線)は、近代化が遅れていた為、私が小学校低学年の頃まで現役で走っていました。
父の実家の岡山県伯備線もそうでした。
乗ろうとする列車がディーゼル車でなくて、蒸気機関車が来たら、「あれ~。ハズレや~。」って言っていましたけど・・・。だって、乗り心地が悪いもの。

お昼前に球磨川沿いのさかもと道の駅で休憩。
晩白柚(ばんぺいゆ)ソフトクリームを食べました。330円
晩白柚は、ミカンの親分ザボンの一種で熊本県八代市の特産品。1個1500円くらいするとか。
美味しいソフトクリーム!!
「どんな味?」って聞かれるとつらいな。
晩白柚の味です。
でも、ボクは晩白柚を食べたことがありません。


れんげ畑八代市内に入ると、球磨川とお別れです。
八代市から北上し熊本平野に入ります。
熊本の水田ではれんげ畑がよく見受けられます。
私が、小さい時は当たり前のようにあったれんげ畑ですが、最近は奈良県でもあまり見ません。
この辺では、おじいさんや、おばあさんが元気です。このおじいさんは幹線道路を自転車で移動中です。




この手前で、すごいおばあさんに会いました。
電動アシスト自転車でしたが、交差点で、右側の道からスピードを出して、私の前方でキュイっと曲がり、そのまま速度を上げて直進して行きました。
あたしゃ、初めシャキシャキの女子高生が走って来たのかと思いました。
よく見ると、腰が曲がった90歳くらいの小柄なおばあさんです。
でも、スピードを出す為に、背中を丸めて走っているように見えるくらいです。
コーナーリングが、カッコイイ!!
ハンドルを切るのではなく、体をコーナー側に傾けて体重移動で曲がります。自転車選手や、オートバイのレーサーが使う方法です。
宮崎駿のアニメをみているよう。「ウソやろ。」と思いました。
「あっ、写真に撮ろう。」と、もたもたするうちに、わき道を、またカッコ良いコーナーリングで曲がって行きました。
すご~い!!すごーい!!すご~い!!

歩く旅人。熊本市内10kmくらい手前で、歩いて旅行している人がいます。
「歩いて旅行ですか?」と、話しかけました。
関東の人で、連休を利用して鹿児島から博多を目指して歩いているそうです。以前、鹿児島から、兵庫県西宮市まで歩いたこともあるとか。
「ほんまもんや。本当に歩いて旅行してはる!!」
にこっと笑った顔が、人なつこい好青年です。
日本には、すごい若い人もいるのです。
こんな若者がいる日本の未来は明るい。

夕方4時に熊本市内のホテルにチェックイン。
体は疲れています。お腹も空いていますが、明るい内にお城を見たいと思い、直ぐに出ました。熊本城に到着。夕方の4時半です。入場料は夜間料金の200円です。ラッキー!!石垣の高さに圧倒されます。まさに、石の要塞です。

熊本城天守閣お腹が空いて、疲れもあり天守閣の最上階まで上る体力がありません。平地は歩けますが、上り階段が辛い。天主閣の途中でギブアップしておりて来ました。
でも、下から見上げるだけで興奮です。

本丸御殿昭君之間(しょうくんのま)。
豪華な本丸御殿にびっくり。こんなの、以前に来た時にはなかったぞ!!
ここは、撮影OKですがフラッシュは禁止。
このデジカメ(リコー CX4)は、今年3月に買ったばかり。
少々暗くても発光せずに綺麗に撮れる優れもの。
私は、フラッシュ禁止操作をイマイチ分かっていない。
発光禁止にしたつもりで、少し離れた暗い場所で試し撮りをして確認OK。
昭君之間の前に来て、少し不安だったので、下に向けて試し撮りをすると、
ピカッ!!
間髪いれずに、係員から「フラッシュはダメです!!」
周りのお客さんからは、一斉に白い目でキッっとにらまれました。
「あっ。あっ。下を向けて・・。あっ、操作が良くわからなくて・・・。」
もう、しどろもどろ。
男性の警備員が直ぐに来たので、怒られるのかと思えば、
「そういう人も、多くおられます。」と親切にデジカメの発光禁止の設定をしてくれました。
改めまして、「大変申し訳ありませんでした。」

夕食お城を見て歩いて疲れたので、お腹もペコペコ。
アーケード街にある紅蘭亭で夕食です。酢排骨定食(酢豚定食)892円。
なに、この麺のコシ。なに、この酢豚のシャキシャキ感。
「うまかばい!!」

本日の走行距離97kmでした。

2011年5月3日(火曜日)
本日は、熊本市から佐賀市まで走ります。
あいにく、天気予報は雨。
まっ、九州地方は、今、水不足。ここは恵みの雨ということで・・・。

熊本市内から、幹線道の国道3号線に入り、北上。
10kmほど走ると、国道208号線(三池街道)に入ります。
すると、雨がポツポツ降出しました。
合羽を着こみ、リュックに防雨カバーをかけ走ることに。
恵みの雨とは、思いますが、雨の中のサイクリングは嫌いです。

玉名バイパス途中玉名市街地を避ける玉名バイパスになります。
バイパス道は自転車乗りには、要注意。
以前、バイパス道を走っていると、それが高速道路のようになり、横を車が猛スピードで通り過ぎてとっても怖い目をしたことがあります。
しかし、このバイパス道は、大きな歩道があり、自転車OKのバイパスです。
「信号の多い市街地を走るよりは・・。」とバイパス道を走る事に。

きゃ~。雨が強くなってきました。
バイパス道に架かる橋の下で、雨を避けてのしばし休憩。
チョコレート食べながら30分くらい、ぼーっとしていました。
まっ、これもまた自転車旅行の楽しさです。
きっと。

小降りになって出発しましたが、雨が降ったりやんだり。
合羽を着たり、脱いだりを繰り返しました。
(できるなら合羽は着たくない。でも、雨に濡れすぎると風邪をひく。難しい。)

筑後川昇開橋(重要文化財)佐賀手前で、筑後川を渡る際に、遠くに見えた変な橋がこれ。
大きい船が通る為に、時間になると橋が上がります。
以前は、国鉄佐賀線として使用されていましたが、廃線になった後も保存され、今は歩道橋として利用されているそうです。

佐賀城跡国の重要文化財「鯱の門」
5時30分。やっと佐賀城に到着です。
指宿までのフェリーで一緒だった年配のサイクリストさんは、佐賀県出身の人で、「佐賀城なんて、石垣があるだけですよ。」
と、おっしゃっていましたが、「いやいや、なかなかどうして、立派のもんです。」
日本100名城(89番)に選定されています。
佐賀県立佐賀城本丸歴史館。
お城の中には、天主閣はなく、本丸ご殿があります。
佐賀城本丸歴史館の内部。
無料で入れます。机が置かれているのは、日中に子供に昔の遊びを教える催しがあった為、そのまま置いています。

本日の走行距離95kmでした。

2011年5月4日(水曜日)
本日は、佐賀市から博多に行きます。
国道34号線を10kmほど進むと吉野ヶ里遺跡に着きます。

吉野ヶ里遺跡本日は、無料。
とにかく広い。正面玄関から入ってまずは広場になっています。正面遠くに(かすかに)見えるのが古代復元の建物です。行くまでに疲れてしまいそう。

吉野ヶ里遺跡を、物見やぐらから撮りました。弥生時代の環濠集落跡です。
NHKのプロジェクトXで、開発の計画が進んだこの地を保存する為に多くの人の、努力と、犠牲があった内容の放送がありました。あたしゃ、それ見て、もう、感動して感動して、「絶対に、見に行きたい。」と願っていました。

吉野ヶ里遺跡も「日本100名城(88番)」の一つ。
卑弥呼のいた邪馬台国ではないかとも言われています。この柵や物見やぐら等が、魏志倭人伝に合致するらしい。
一方、奈良県桜井市で発掘中の纒向(まきむく)遺跡がは、全国の土器が発掘され、祭礼に使う桃(の種)が沢山出土されていて、それが卑弥呼に関係あるのではと言われています。
どちらも、現在発掘中。今のところ、邪馬台国はどちらかわかりません。

これだけ完璧に保存、復元している佐賀県の関係者に頭が下がります。これは、日本の宝です。
一方、奈良県の関係者さん、纒向遺跡が邪馬台国という決定的な証拠が出てから、大騒ぎしても知らんで。
今のうちに、保存したらどうですか?
どうも、その気は全くないようですが・・・。

大宰府天満宮博多手前で、学問の神様、藤原道真を祭る大宰府天満宮があるので、「せっかくやから、寄っていこ。」と思い立ち寄りました。
ものすごい人です。
信心の薄い私ですが、ここは神頼み。
「頭が良くなりますように。」とお祈りしました。
(効果のほどは今のところ、全然ありません。)

福岡ユースホステル3時到着。チェックインは4時からとのことで、荷物を預けて市内観光に出発です。

福岡(博多)市内どんたくの期間中走らせる西鉄の「花自動車」です。今年は東北を応援する電飾です。「がんばろう日本!!」

一風堂総本店まず向かったのが、一風堂総本店。お腹ペコペコです。替え玉もして満足です。

幸運にも、博多どんたくのを見ることができました。
どんたくとは、オランダ語の日曜日を意味する「ゾンダーハ」がなまったそうです。
博多には仕事で何度も来ていますが、天神は異様な熱気に包まれています。5月3日と4日で約230万人が博多どんたくに来たとか。(前年より5万人多いそうです)
日本を敬遠する外国の人が多い中、それでも日本に来てくれる人も沢山おられました。感謝!!

博多どんたくの最終日。
各地域ごとに分かれて同じ曲に合わせて踊る「総踊り」が始まりました。
「みんな、一緒に踊ってください。」とのこと。
福岡から日本全国を元気にしようとする、博多っ子の熱く明るい気質が伝わってきます。

福岡ユースホステルの部屋。相部屋のヤツが最悪やった。夜9時前に寝る準備をしていると、登山家風の相部屋クンが入室。
「こんばんわ。」と私があいさつをしても、「はぁ。」との返事。
コイツ、あいさつができない? なんか、嫌~な予感です。
相部屋クンは、すぐに外出し、私は疲れていたので9時過ぎに就寝。
そう、11時頃でしょうか?横のベッドでガサガサ、カサカサと、スパーの袋に何かを入れたり出したり、パックをしている様子。寝ている私に気を使う様子もなくマイペースでの作業が延々と続きます。
登山家の田部井淳子がNHKの「山で元気に!」の番組で、「山小屋で、スパーの袋は音がして他の人の迷惑になるので使わない。」と言ってのに。
すっかり、その音で起こされてしまいました。

相部屋クンの登山靴とスリッパ。
脱ぎ方もマイペース。
私の靴と、スリッパは、端でピタッと小さくなっています。




夜12時に、作業を終わらせ電気を消したので「これで、寝られる。」と、ホッとひと安心。
すると、相部屋クンは、カツカツ、カツカツと、メールを打ち出したのです。
若い子は打つのが早い。その音が部屋に響きます。
2時半になっても、カツカツ、カツカツ。しばらくしてブーブーとバイブの着信音、またカツカツが続きます。
もう限界。「悪いけど、寝てくれへん。」と言いました。
すると、「はい。」と、意外なほど素直な良い返事。
10分後には、完全に寝たようす。
「コイツ、ちゃんと、人の話を聞くええヤツやんか。」
と、思っていると、「ガ~。ゴ~。」と大きなイビキをかき出しました。
これぞ山男という豪快なイビキです。
「キャー。まだメールの方が、ましやった~。」
もう、お手上げ。 そのまま朝まで続いたのでした。

本日の走行距離50km。

2011年5月5日(木曜日)
「おはようございます。 完全に寝不足です。」

今日は帰るだけなので、寝不足でも行程をこなせますが旅行の真っ最中なら、夜中に相部屋君の登山靴を蹴っ飛ばしているところです。

ユースホステルを8時に出発。
飛行機の出発までに時間があったので、博多駅前あたりをうろうろ走り、それから福岡空港を目指しました。

福岡空港、9時に到着。

大阪を少し走った距離も入れて今回の総走行距離は630km。
やっぱり、少し疲れたかな?
ここまで走ってくれた自転車と、自分の体に感謝!!
はい。パック完了!!
時間があったので、ゆっくり、ゆっくり自転車を拭き、運送中に痛みそな個所は当て布をしながら1時間くらいかけました。
飛行機での輸送は、自転車がとっても痛むのです。

福岡空港11時45分発、13時00分伊丹空港着でした。写真は伊丹空港。
プロペラ機です。ちっちゃ!!
タラップの階段が、短いことこと!!ひょいっと飛び降りれそうです。
でも、このサイズの方が乗っていて楽しい!!

今回は、夜行バスに乗れない、大きく道を間違える等、いろいろとアクシデントがありました。
ハラハラ、ドキドキ。でも何とか走れて、それはそれで面白かったな~。
九州、よかとこ。よかとこ。

今回の旅行の教訓:
 1)夜行バスは嫌い!!
 2)ナビは信用できない。頼りになるのは地元の人と地図!!
 3)ユースホステルは、相部屋次第で地獄になる。
以上で~す。

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