2016年9月17日土曜日

奈良と大阪をむすぶ水越峠と竹内峠。

2016年9月17日(土曜日)

奈良県御所市から大阪府富田林市の間の水越峠を超えて大阪に入り、帰りは大阪府太子町から竹内峠を越えて奈良県葛城市に戻ってくる2つの峠越えコースを走ります。
峠越えの好きな人もいてますが、ボクは大~嫌い。
でも、前から気になっていたこのコースを走ることに。
不安はありますが、ボク頑張ります。

まずは、水越峠まで。自宅からは20km弱。

今日の天気予報は、晴れ時々曇り。
厚い雲に覆われて「雨が降るかな?」
と心配したり、急にガンガンの日差しが出たり・・・。
日差しが出ると、むちゃ~くちゃ暑くなります。
9月の天気は難しいのです。


お昼の12時に自宅を出発。地元の裏道を走ります。
右に見えるのは、京都と奈良、和歌山を結ぶ京奈和(けいなわ)自動車道。
部分開通しかしていないので今は無料で走れます。
全面開通までの、期間限定お試し期間。
今ならお得に和歌山まで走れます。


国道24号線から右に曲がって国道309号線を走ります。

 国道309号線になると急にローカル色豊かになります。
民家が減って、急に田んぼが広がります。
そう、田園地帯なのです。

道端の田んぼの稲は黄金色。もうすぐ稲刈り。
あぜ道には、彼岸花が咲きだしています。

アップで撮るとこんな感じ。
遠目は綺麗ですが、アップで見ると結構毒々しいのです。

さらに県道30号線を横切ってまっすぐに進みます。
ここから先は、山道になります。


目的地の峠と、祈りの滝に行くには行くには次の標識の枝道を右に曲がります。

標識は、こんな感じ。
枝道に入っても、国道309号線。
ここから先、国道309号線は2本になります。
本線の国道309号線は、水越トンネルを通って大阪に抜けます。
ボクの走る枝道の国道309号線は、地獄のクネクネ道になるのです。

水越峠のアップ地図がこれ。
水分神社から入って、祈りの滝、水越峠と走ります。
笑っちゃうぐらいクネクネ道です。
これは、標高差のある証拠。
気合を入れて走らねばなりません。

クネクネ道は、こんな感じ。
写真では、少し分かりにくいのですが山の中腹にガードレールが見えます。
「あそこまで、走って上がらなあかんのか~。」
と見上げているところです。

枝道の国道309号線になって車の数は格段に減りました。
そりゃ、まぁ、大阪に行きたい人は、水越トンネルを走るわな。
しんどいけれども、安全に走ることができます。

結構上ってきましたよ。
山の隙間に奈良盆地が見えます。
ハア、ハア、ハア。
息は上がるし、日差しが出て暑いので汗が滴り落ちます。
いや、本当に、汗がポッタポッタ下に落ちます。
サングラスの内側に汗が付くし、自転車に付けて入るナビが落ちた汗で水たま状態です。

しばらく走ると・・・。
祈りの滝に到着です。
なんか、ロマンチックな名前じゃありません?
女の子が、「ステキな彼氏と出会えますように。」
とか、滝に向かってお祈りするような感じ。

右の道を歩いて行くとすぐに滝に到着します。

これが、祈りの滝。高さは10m弱です。
あれ?あれ?思っていた感じと違う。
滝の下には、踏み台が設置されています。
入り口に戻って、御所市観光協会の説明案内板を読むと、
「役行者(えんのぎょうじゃ)が、葛城山で行をしたが、その行者たちや峠を越える旅人が祈った滝で、修験道の霊場である。」
とのことです。
あっ、あの白装束の人が滝に打たれるやつですな。
こりゃ予想と違って、「ハードな祈り」の滝でした。


全景はこんな感じ。
車がひきっりなしに来ては、奥の方でなにやらやっています。
「なんや?なんや?」と、のぞきに行くと・・・。

こんな感じ。
初め、「なんか洗っているのかな?」と、思いましたが水を汲んでいるようです。
物凄い数のペットボトル。
「飲食店の方ですか?」って感じの人が水をもらいに来ています。

ボクも水をもらおうと自転車用のボトルをもってしばらく待ちましたが、なかなか終わらない。
「もう、水を飲むのを諦めて写真だけ撮ろ。」と思い、了解得て撮った写真がこれ。
物凄い勢いで水が出て入ます。
「この勢いで水が出ているのに、何でこんな時間がかかる?」
と思って帰ろうとすると、
「あっ、お先にどうぞ。」と、言ってくれました。

で、お礼を言って、ボトルに水を入れようとすると、急に水量がなくなってしまいました。
もう、ビックリ。「えっ、意地悪してるの?」って感じです。
「これって、出る量が変わるんですか?」
と聞くと、「そうなのよ。」とのこと。
いっぱい出たり、ちょろちょろになったり。
「それで、こんなに時間がかかるんや。」と納得。
諦めて帰ろうとすると、「あっ、これあげる。美味しいわよ。」
とその人達が汲んだ水をボクのボトルに入れてくれました。
ええ、人や。

飲むと少し冷たくて、マイルドで美味しい。
紙コップだけ持って休憩がてらに飲みに来る人から、大きな水タンクを両腕に持ってくる人までさまざま。
ボクがいてた10分ほどの間で4~5台の車が来ました。
「有料、100円」と看板には書いてあります。

祈りの滝から水越峠を目指します。
あと600mほどで水越峠です。
でも、道はこんな感じで、結構な傾斜角度。
急な坂道で自転車を漕ぐのがしんどければ、押し歩きをするのがボクのポリシー。
自転車を漕ぎ続けようとする意地も、プライドも、な~んもありません。
今年の4月に走った大阪府東大阪市と奈良県生駒市間にある暗峠(くらがり・とうげ)では、ものの20m程走ってギブアップ。
後は、ひたすら自転車を押して歩く完敗状態でした。
でも、今回はなぜか一度も押し歩きをしていない。
家から近くて体は元気。
なんとか走れる傾斜角度。
で、
急に思いついた今回の目標。
「水越峠と、竹内峠は走破するぞ~!!」
一度くらいは、名のある峠を走破してみたいじゃ~、あ~、りませんか?
頑張ります。

祈りの滝からヒーヒー漕ぐこと約15分。
ついに水越峠に到着です。
でも、水越峠の看板は無し。ざ~んねん。
この階段は、葛城山山頂を目指す道らしい。
登山客と思われる車がいっぱい道路に駐車しています。
「ダイヤモンド・トレール」って書いてありました。
せっかく水が出て入るので手を洗って出発です。
後は、下り坂。ラクチンです。

水越峠を越えると大阪府。
財力の差か、はたまた地理的な問題からか?
大阪府側の道は、まっすぐで走りやす。
あまりスピードを出すと、怖いのでブレーキをかけながらゆっくり下ります。

本線の国道309号線と合流です。
やっぱり、車の交通量が多い。
気を付けて走ります。


本線の国道309号線を下ると、ここは千早赤阪村(ちはやあかさかむら)。
大阪府唯一の村とつく地名、かつ大阪府唯一の過疎指定地域だそうよ。
冬は寒いので、凍り豆腐(ちはや豆腐)の生産で有名だったそうよ。
はるか向うに富田林市の市街地が広がります。

富田林方面は右に曲がらなければなりません。府道27号線を走ります。
あっ、いや。メインの道をそのまま進めは良いみたい。
むしろ、国道309号線が枝道になる感じ。
わっかりにく標識です。
標識の下に「南河内グリーンロード」の緑色の標識。
事前にネットで調べると、なにやら走って楽しい道らしい。
なら、走りたい。
どうせ、また、看板があるでしょうから看板を探しながら走ることにします。

富田林市の市街地が遠くに広がりだしました。
道は下り坂で、自転車は気持ちよく前に進んでくれます。
下に下りるに従って、ムッとした感じ。
暑くなってきた。
「やっぱり、水越峠は涼しかったんや。」と体感できます。

で、気良く坂道を下りきって走っていますが「南河内グリーンロード」の看板は見当たりません。
「あれ〜。看板を見落としたかな?」
と、自転車を停めて、スマホで「南河内グリーンロード」を検索。
止まった場所は、南河町役場。
見れば、もっと右側(葛城山より)を通っています。
「南河内グリーンロード」は山の麓(ふもと)を走っているのです。
携帯ナビの電源を入れて「竹内峠」をセット。
見れば、「南河内グリーンロード」を走るルートになっている。
今回は素直にナビに従って、右に曲がり府道704号線を葛城山に向かって走ることにします。


この写真が、府道704号線。
上り坂です。
遠くに富田林市の市街地が広がります。
調子に乗って県道27号線を下った分、また、上らなければならないのでした~。

南河町役場から走るとこ約15分、やっと「南河内グリーンロード」の標識が見えてきました。
広域農道と書かれています。
国道でも、府道でもなく農道なのです。
太子方面に進みます。

「南河内グリーンロード」は、山のふもとを通る道だけに、道は平たんではありません。
上ったり、下ったり。
人生みたいなもんです。
車の数は少ないし、田園風景を見ながら走れますが、甘い道ではありません。

南河内グリーンロードを走ること約3km。
国道166号線(竹ノ内街道)とコッチンコです。
大和高田方面を走ります。

この交差点を右にまがるとすぐのところに道の駅があるのでちょっくらトイレ休憩。
団塊の世代のサイクリストがいたので、挨拶をすると、
「大阪方面から走ってきましたか?」とのこと。
ボクが、「はい。」と答えると
「途中で二人連れのサイクリストを見ませんでした?」
とのこと。
南河内グリーンロードで、上り坂を押して歩いているサイクリストを見ていたので、
「あぁ、おられました。でも、もうすぐ来られると思いますよ。」
と、返事。
ちょうど、トイレから出てくる頃に合流したみたいで、
「ほんまに、心臓が悪いのに、無理して来るから・・・。」
と言われておりました。
遅れてきた人も、他の人と同じくお高そうなウェアに、お高そうな自転車。
ん~。どうも、カッコから入るタイプの人みたいです。
団塊の世代は、ボクの一世代上。
長髪、Gパン、フォークにロックと古いしきたりに反発して、新しい文化を作ってきた世代。
ボクらの世代は、憧れの目で見ておりました。
そんな団塊の世代も、今や60代も後半。
体力的にあまり無理はできない年代になっているのです。
ご自愛ください。



国道166号線を進みます。
道はこんな感じ。
峠道のパターンですが、路肩が狭くて、交通量が多い。
(「写真に車が写ってないやん。」と、おっしゃるなかれ。
 車が走っていない時を狙って、写真を撮っているだけです。)

もう40年近く前になりますが車の免許を取りたてのころ、この竹ノ内街道を車で走りました。
でも、当時、頂上付近は未舗装で、とんでもない荒れた道。
運転初心者のボクは完全にビビってしまい、
「もう二度と、この道は走らへん。」と決めた道でした。
交通量は、今と比べ物にならないほど少なかったですけれど・・・。

しばらく走ると歩道があったので逃げ込みました。
幅は広くて、路面も良い。
すごく走りやす歩道です。
でも、だらだらと長い上り坂が続きます。
汗が、ポッタポッタと落ちだしました。
「もう、下りて押して歩こっかな。」と思いましたが、
今回は、「峠走破。」が大目標。
我慢です。

が、しかし、無常にも歩道は行き止まりです。
車の切れ目を見て、反対車線の路肩までダッシュで走りました。
そこから再び車にビビりながら走らねばなりません。


やっと峠近くまで走ってきました。
道が落ち込むように見えて、そこに標識が立っていれば、そこはたいがいの場合、峠。
右側の側道のように見える道は、竹ノ内街道。
好んで歩く人も、多いのです。

ヘロヘロになって、その標識に到着です。
ここが竹内峠。
でも、標識は無し。
きっと、右側を通る旧竹ノ内街道に石碑があるのかと思います。
いや~。ボク頑張りました。
押して歩かへんかったもの。
でも、太ももがピクピクしているのは、な~ぜ?
ん~。ボクも無理は禁物のお年頃。
もう、峠越え走破にこだわるのはヤンペです。


峠を越えてしばらく走ると、竹ノ内街道の入り口の標識がありました。
今まで、国道166号線の右側を通っていた道が、国道を横断しているのです。

道はこんな感じ。
ガードレールで仕切られているので車は入れません。
旧街道って良いですね。
昔から、多くの人がいろんな思いを持ちながら歩いたんでしょうね。
近いうちに、再度来て、歩いてみっかな~。
今日は無理。もう、プラプラ歩く体力が残っていません。


奈良県當麻町に到着です。
いや~、疲れました。

ヘロヘロになって帰宅です。本日の走行距離は52kmほど。
時刻は4時半。
「半日みっちり遊ばしてもらいました~!!」って感じ。
体力使い果たしました。

お風呂に入って、さっぱり。
風呂上がりのビールが最高に「うまい!!」
(あっ、第3のビールですけれど・・・。)
早めに作ってもらった晩御飯も最高に「美味しい!!」
(あっ、豪華な食事ではないですれけど・・・。)

「あ~、生きてて良かった!!」
って感じ。
この圧倒的な幸福感と満足感は、自転車の大きな魅力。
ご同輩、あなたも、ぜひ。
あっ、でも、無理は禁物。
ご自愛ください。