2015年1月25日日曜日

2015年若草山の山焼き。

2015年1月24日(土曜日)

奈良県民にとって、この日はただ枯草を焼く日にあらず。
奈良市のシンボルの若草山の、古い枯草よ「さようなら。」
新しい芽吹きよ「こんにちわ。」
古い物に別れを告げ、新しい物を迎える、新春のビッグ・イベントなのです。

1月第4土曜日は、奈良市若草山の山焼きの日。
いつもは、少し離れた飛火野(とびひの)で見ますが、今年は若草山の最前列でかぶりつき。
迫力満点でした~。



家から2時間かけて自転車で来て奈良市に着いたのは16時。
(早く家を出れば良かったのすが、家でウダウダしてたの・・・。)
まず向かったのは、ボクの大好きなスポット猿沢の池。
今日は晴れてて青空に興福寺の五重塔が映えます。
猿沢の池も、水面が穏やかでのんびりした気分になれます。
ええとこ。ええとこ。


若草山は、近鉄奈良駅から東へ歩いて40分くらい(のはず。)
ボクは自転車なので、ここからそんなにかからない。
けれども、今日は異常に観光客が多いのです。
(冬が寒い奈良は、今はシーズンオフ。冬は観光客は少ない。)
これは、みんな山焼きを見に来ているな~。
ちょっと、早めに行動する方が良い予感。

まずは、途中にある東大寺に向かいます。


この奥が東大寺大仏殿なのですが・・・。
とてもじゃないけれど、自転車を押して入れない。
けれども心配ご無用。
小学校から中学校まで奈良市に住んでいたボクはこの界隈を知り尽くしているのです。
この参道の右側は奈良公園。
こんな感じで、鹿も人を避けてここでエサをねだっています。

ボクの方にも一頭が近づいて来ました。
「ごめんね~。エサをもってないの。」
と自転車を押して、すり抜けます。
この時期の鹿は安全。
でも、秋はとっても危険なのです。
まず、雄鹿はカチン・カチンで大きな角がある。
これに、「ちっくん。」と刺されるとやっぱり怪我をする。
雌鹿も、秋は子育て時期で気が立っている。バンビを守ろうと、攻撃してきます。
バンビが可愛いからと、不用意に近づくと母鹿の頭突き、
または、後ろ2本足で立った母鹿が、前腕を振り下ろしてきます。
アタシャ、小学生の時友達がこれで攻撃されてビックリ。
鹿が、2本足で立つと大人の背丈を越えるのです。
(あっ、幸い友達に怪我はありませんでしたけど。)


人が多過ぎるので、ここで自転車はギブアップ。
人の邪魔にならない木陰で駐輪です。
このまま、自転車を置いて若草山を目指します。
帰るまで待っててね~。

参道を歩いて、これは南大門。

天平創建時の南大門は、台風で壊れちゃったので、鎌倉時代に再建されたものが現在に至っておるのです。
子供の頃は、何でこんな小汚い門がええのか、よ~わからなんだ。
今は、鎌倉時代の建物が残っていことに超感動です。
この中には、子供の頃に。「なんでこんな怖いおっさんの像を入れてんねん?」
と思っていた仁王様が入っています。

と、その前に。
可愛い女の子が、可愛いバンビの写真を撮っていたのでパチリ。
ん~。 か・わ・ゆ・い。
(バンビは、ここまで成長すると、母鹿は近くにいません。)

向かって右側。
阿形(あぎょう)の仁王様。
あ~。怖そう。

向かって左側。
吽形(うんぎょう)の仁王様。
う~ん。怖そう。

これが、東大寺大仏殿。
大仏様もビッグなら、それを収める大仏殿もビッグ。
世界最大の木造建築だそうよ。
普通なら、ここで大仏殿に入ります?
でも、奈良県人のボクは何回も見ているし・・・。
それに、入れない事情もあって・・・・。
そう、すでに閉門しているのです。(4時半まで)
奈良の大仏を期待していた皆様。
ごめんなさい。


若草山には、このまま東に歩けば10分ほど。
でも、ちょっと回り道。

どうこの道。ちょっとステキでしょ?
大仏殿の横を通って右に曲がると、二月堂に続くステキな道があるのです。

そのままあるくと・・・。
あれに見えるは二月堂です。
奈良に春を告げる「お水取り」の舞台です。


これが二月堂です。
3月中旬に行われるお水取りは、大きな松明に火をともし、この舞台からクルクル回転させて火の粉をまき散らすド派手な火の行事。
お水取りの日はこの舞台下が人で埋まります。
観客の頭に火の粉が降り注ぎます。
落ちてきた、杉の燃えカスを家に持ち帰って家に飾ると、家内安全だそうよ。


二月堂の舞台の上では、山に沈んだ夕日を多くの人が見ています。

二月堂から若草山まではもうすぐ。
歩いて数分で到着です。
いつもは有料の若草山ですが、本日は無料で入れます。
時刻は5時半。
花火の開始が6時15分から。
山の点火は6時半から。
まだ、時間はありますが、どうも人であふれそうなので早めにスタンバイしとく方が良さそう。


ちょうど、消防団の人達が入山していきます。
やっぱり火の扱いはプロ。頼りになるのは消防団なのです。
ご苦労様で~す。

若草山は結構斜度がある。
子供の頃、「誰か止めて~。」と山を走りながら下って行く友達が・・・。
初め「ふざけてんの?」と思っていると、自分も怖い目に会うことに。
そう、若草山はブレーキをかけながらゆっくり降りないと気を抜いていると、少しづつ加速が付いてきて最後は走りたくないけれども走りだしてしまい、
「誰か止めて~。」となるのです。
これって結構怖いのよ。


最前列近くがここら辺。
右上の方にロープが張ってあり、ここから上には行けません。
若草山に登って不思議なことが一つ。
山焼きを待っている人が全員山と反対のふもとの方向を見ている。
「あの~。山はアンタの後ろにありまっせ。」
と言いたくなるくらい。
でも、自分も登るのをやめた時点ですぐわかりました。
そりゃ~、あ~た、山側を向いて座ったらひっくり返りますもの。


ロープから先は、進入禁止。
こんな感じで係りの人が立って、ロープから入って来ないかどうかチェックしてはります。

花火が始まるまでは、まだ40分もある。
体を動かさずにじっとしていると、寒さがジンジン。
足先が寒さでシビレて来ます。
今回は、寒さ対策万全(のはず。)
手にはカイロを握りしめ、毛糸の帽子をかぶり、おまけに熱いお茶を水筒に入れてもって来ています。
暖かいお茶は、体の中を温かくしてくれます。
・・・・。
でも、じっと待っているのは、やっぱり寒いです~。

麓側を見て、待っていました。
奈良市の夜景も綺麗です。

日も、どっぷり暮れて6時過ぎ。
もう少しの我慢で花火が始まります。
今回は、最前列かぶりつき。
地元のおじさんが、「ここから見る花火は、迫力あるで~。」
とのこと。
あい。期待しとります。


6時15分ちょっと過ぎて花火の開始で~す。
「いよ~。待ってました。」
地元のおじさんが言う通り、大迫力です。
音がドッカン・ドッカン体に伝わってきます。


すぐ近くで花火が上がりますので、最高!!

中盤は、大きな花火が単発で上がります。
「ド~ン。」と腹に響く爆発音。目の前の空いっぱいに花火が広がります。
はくりょく~!!

6時25分。山の点火5分前。
花火のフィナーレです。
パンパン・パンパン。
花火が止まることなく連発で打ちあがります。
最後は、歓声と拍手が起こりました。
ボクは一人で来ていますが、
「わ~。すご~い。」と、声を出してしまいましたもの。

いよいよ本日のメインイベント。
6時半から若草山の点火です。
パチパチと乾いた音を立てながら枯草が燃え出します。

数分で人の背丈を越す火柱が立ちます。

火が燃え広がります。


一番燃えているところで火柱3mはある。
枯草の特徴か?燃え移る火のスピードが速いです。


燃えるところは燃えていますが、燃え残っている場所も多い。
地元のおじさんは、
「昨日雨が降ったやろ。湿っとんねん。」
とのこと。
そうか。でも、満足。そろそろ帰ります。


少し下りてから、振り返ってパチリ。
頂上では、かなり派手に燃えています。
でも、すごい人でしょ?

甘かった。
もともと若草山は有料の山。
だから、登り口にはゲートがある。
山焼きを見終わった人が一度に帰るとゲートで大渋滞。
この写真は、ボクが出て振り返って撮ったもの。
警官多数で案内・整理はしていますが、この人ごみには「まいった。」


帰りは自宅まで約30kmある。
自転車で走ると寒いのよ。
手はかじかむし、お腹も空く。

天理にある、丸亀製麺所でちょっと休憩。
釜揚げ(並み)280円。
あったまります。暖かいお茶も飲み放題。
おうどん、美味しい!!


奈良の山焼きが終われば、次はお水取り。
そしたらもう、春。
(奈良では「お水取りが終われば春が来る。」と言われています。)
サイクリングシーズンの幕開けです。
今年は、どこを走るかな~?
早く、お水取り始まって~!!



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